相続放棄すべきか判断する完全フロー
公開日: 2026/5/3 | 本記事は情報提供を目的としており、法律・税務相談ではありません。
目次
まず確認:相続放棄が向いているケース
相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産も負債もすべて放棄する手続きです。以下のいずれかに当てはまる場合、相続放棄を検討する価値があります。
- •被相続人に借金・保証債務・税金の滞納などのマイナスの財産がある
- •プラスの財産よりマイナスの財産が多い、または多い可能性がある
- •相続手続き全般に関わりたくない事情がある
- •他の相続人に財産を集中させたい(例:配偶者に全部渡す)
STEP1:借金・負債の全容を調べる
相続放棄を判断するには、まずマイナスの財産を把握することが最優先です。被相続人の負債は次の方法で調査できます。
- •信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)に開示請求する
- •金融機関・消費者金融から届く郵便物・通帳を確認する
- •弁護士・司法書士に依頼して債権者への照会を行う
- •税務署への「所得税の確定申告書の写し」請求で滞納税額を確認する
- •市区町村窓口で住民税・固定資産税の滞納有無を確認する
STEP2:プラスの財産と比較して判断する
調査したマイナス財産とプラス財産(預貯金・不動産・有価証券等)を比較します。判断の目安は以下の通りです。
- •マイナス>プラス:相続放棄が有力。全員で放棄すれば負債から解放される
- •マイナス<プラス:通常相続または限定承認を検討。放棄は不要なケースが多い
- •不明・確認中:家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申立て(3ヶ月の延長が可能)
限定承認という第三の選択肢
限定承認とは、プラスの財産の範囲内でのみ負債を引き継ぐ制度です。「財産が残るか借金が残るかわからない」場合に有効ですが、相続人全員で申立てる必要があり、手続きが複雑なため弁護士への依頼が現実的です。不動産を売却して清算するケースに向いています。
STEP3:3ヶ月の期限内に動く
相続放棄の期限は「相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内」です。この期間内に以下の対応が必要です。
- •財産・負債の調査(STEP1・2)を完了する
- •放棄する場合は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立て
- •調査が間に合わない場合は「熟慮期間の伸長申立て」を期限前に行う
- •相続財産を一切処分しない(使うと「単純承認」とみなされ放棄できなくなる)
相続放棄後に気をつけること
相続放棄が受理されると最初から相続人でなかったものとみなされます。ただし、次の点に注意が必要です。
- •次順位の親族(兄弟姉妹・祖父母など)に相続権が移るため、事前に連絡・相談する
- •相続財産管理義務:保管中の財産があれば次の相続人や相続財産清算人に引き渡すまで管理義務が残る
- •相続放棄申述受理証明書を取得しておくと、後で債権者への対応に使える
よくある質問
Q. 亡くなってから3ヶ月以上経ってしまいました。もう放棄できませんか?
原則として3ヶ月を過ぎると相続放棄はできません。ただし、被相続人に相続財産がほとんどないと信じたことに相当な理由がある場合(例:長期間疎遠で負債を知らなかった)は、負債を知ってから3ヶ月以内であれば家庭裁判所が認める場合があります。司法書士または弁護士に速やかに相談してください。
Q. 相続放棄すると、被相続人が住んでいた家はどうなりますか?
相続人全員が放棄した場合、相続財産は「相続財産法人」となり、利害関係人の申立てにより家庭裁判所が相続財産清算人を選任して処理します。放棄後も不動産の管理義務は残る場合があるため(民法940条)、早めに司法書士・弁護士に相談することをおすすめします。
Q. 相続放棄の費用はいくらかかりますか?
家庭裁判所への申立費用は収入印紙800円+郵便切手実費です。専門家に依頼する場合、司法書士で1〜3万円、弁護士で3〜10万円程度が相場です。
Q. 子どもが未成年の場合、相続放棄の手続きはどうなりますか?
未成年者の代わりに親権者が法定代理人として申立てます。ただし、親権者も相続人の場合は「利益相反」となるため、家庭裁判所に特別代理人の選任を申立てる必要があります。
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