遺族年金の申請方法|受給要件・金額・手続き先をわかりやすく解説
公開日: 2026/5/9
本記事の情報源について
法務省・国税庁・裁判所・日本年金機構・金融庁等の公的機関の情報をもとに作成しています。 内容の正確性に努めていますが、法令は改正される場合があります。 具体的な手続きについては最新の公的情報をご確認のうえ、司法書士・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。
目次
遺族年金とは:亡くなった方の年金加入歴によって内容が変わる
遺族年金は、一家の生計を支えていた方が亡くなった場合に、遺族の生活を支えるために国が支給する公的年金給付です。亡くなった方の年金加入歴(国民年金か厚生年金か)によって受け取れる給付の種類・金額が大きく変わります。大きく分けて「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、加入歴によってはどちらか一方、または両方受け取れます。
ℹ 補足:遺族年金は相続財産ではないため、遺産分割の対象外です。受給権は法律で定まった遺族固有の権利です。
遺族基礎年金(国民年金):受給できる遺族と金額
遺族基礎年金は、亡くなった方が国民年金に加入していた(または老齢基礎年金を受け取っていた)場合に支給されます。ただし、受給できる遺族の範囲が「子のある配偶者」または「子」に限定されており、子のいない配偶者は受け取れない点に注意が必要です。
- •受給できる遺族:子(18歳年度末までの子、または障害等級1〜2級の子)のある配偶者、または子のみ
- •保険料納付要件:亡くなった時点で保険料の未納が全期間の3分の1未満であること(直近1年間に未納がないことでも可)
- •年金額(2024年度):816,000円+子の加算(1〜2人目:各234,800円、3人目以降:各78,300円)
- •子のいない妻・夫:遺族基礎年金は受け取れない。代わりに寡婦年金・死亡一時金が支給される場合あり
遺族厚生年金(厚生年金):受給できる遺族と金額
亡くなった方が厚生年金(会社員・公務員)に加入していた場合、遺族基礎年金に上乗せして遺族厚生年金が支給されます。遺族厚生年金は対象範囲が広く、子のいない配偶者(30歳以上の妻、または55歳以上の夫)も受け取れます。
- •受給できる遺族:配偶者・子・父母・孫・祖父母(優先順位あり)
- •年金額:亡くなった方の老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3
- •中高齢寡婦加算:厚生年金加入期間が20年以上の夫が亡くなった場合、妻が40〜65歳の間に612,000円/年が加算
- •30歳未満の子のない妻:遺族厚生年金は5年間の有期給付のみ
- •夫(男性)が配偶者として受け取るには55歳以上が条件(60歳から支給開始)
共済年金(公務員・教員等)の遺族給付
2015年10月以降、共済年金は厚生年金に統合されており、公務員・教員等が亡くなった場合も「遺族厚生年金」として支給されます。ただし旧共済年金の「職域加算」部分が「年金払い退職給付」として残っており、独自の遺族給付(遺族一時金・遺族年金)が上乗せで支給される場合があります。勤務先の共済組合に個別に確認してください。
申請先と手続きの流れ
遺族年金の申請先は、亡くなった方の最後の年金加入先によって異なります。複数の種類を受け取れる場合でも、通常1か所に申請するだけで手続きできます。
- •国民年金(遺族基礎年金のみ):市区町村の国民年金担当窓口
- •厚生年金(会社員・一般職):最寄りの年金事務所(日本年金機構)
- •共済年金(公務員・私学等):亡くなった方が加入していた共済組合
- •請求書の入手:日本年金機構のウェブサイトでダウンロード可、または窓口で入手
- •時効:遺族年金の受給権は5年で時効(さかのぼって受け取れる期間が5年に限られる)
⚠ 注意:遺族年金には5年の時効があります。受給資格があることに気づかず、申請が遅れると受け取れる期間が短くなります。早めに年金事務所や市区町村窓口に相談することをお勧めします。
申請に必要な書類
遺族年金の請求に必要な主な書類をまとめます。窓口で確認しながら準備するとスムーズです。
- •遺族年金請求書(窓口またはウェブから入手)
- •亡くなった方の年金証書または基礎年金番号通知書
- •死亡診断書のコピー(または死亡が確認できる書類)
- •亡くなった方と請求者の続柄がわかる戸籍謄本(全部事項証明書)
- •請求者の戸籍謄本・住民票・マイナンバーカードまたは通知書
- •受取口座の通帳またはキャッシュカード
- •子がいる場合:子の在学証明書(18歳年度末まで)または障害年金証書
65歳以降は自分の年金との調整が必要
配偶者が65歳になると自分の老齢基礎年金を受け取れるようになります。この時点で「老齢基礎年金 + 遺族厚生年金」か「老齢基礎年金 + 老齢厚生年金の一部 + 遺族厚生年金の差額」のどちらかを選ぶ必要があります。選択を誤ると損になることもあるため、65歳到達時に年金事務所で試算してもらうことをお勧めします。
よくある質問
Q. 夫が亡くなりましたが、私(妻)は専業主婦でした。遺族年金を受け取れますか?
夫が厚生年金に加入していた場合、妻は遺族厚生年金を受け取れます(30歳以上の妻であれば子がいなくても可)。夫が国民年金のみの場合、子(18歳年度末以下)がいなければ遺族基礎年金は受け取れませんが、寡婦年金(60〜65歳)や死亡一時金の対象になる場合があります。
Q. 子どもが成人していますが、遺族年金を受け取れますか?
成人した子(18歳年度末を超えた子)は、原則として遺族年金の受給対象外です。ただし障害等級1〜2級に該当する場合は例外的に対象になります。
Q. いつまでに申請しなければなりませんか?
法律上、遺族年金の受給権には5年の時効があります。これは「亡くなった日から5年以内に申請しないと受け取れない」という意味ではなく、過去5年分しかさかのぼれないという意味です。ただし申請が遅れるほど受け取れる総額が少なくなるため、なるべく早く申請することをお勧めします。
Q. 遺族年金を受け取りながら自分で働いても大丈夫ですか?
遺族基礎年金は働いていても原則として減額されません。遺族厚生年金は、受給者が65歳未満の場合は在職中の自分の厚生年金(報酬比例部分)と合わせて支給停止になる仕組みがあります。詳しくは年金事務所にご確認ください。
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