親が亡くなったら最初にやること|相続手続きの順番とチェックリスト
公開日: 2026/5/7
本記事の情報源について
法務省・国税庁・裁判所・日本年金機構・金融庁等の公的機関の情報をもとに作成しています。 内容の正確性に努めていますが、法令は改正される場合があります。 具体的な手続きについては最新の公的情報をご確認のうえ、司法書士・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。
目次
亡くなった直後(7日以内)にやること
家族が亡くなった直後は悲しみの中にありながら、いくつかの手続きを速やかに進める必要があります。最も期限が短いのが死亡届の提出で、死亡を知った日から7日以内(国外の場合は3ヶ月以内)に市区町村役場へ提出しなければなりません。死亡診断書は医師に作成してもらい、死亡届と一緒に提出します。死亡届を受理されると火葬許可証が発行され、葬儀・火葬が行えるようになります。
- •医師から死亡診断書を受け取る
- •死亡届を市区町村役場に提出する(7日以内)
- •火葬許可証を取得する
- •葬儀社に連絡し、葬儀・火葬を執り行う
- •葬祭費・埋葬料の申請(健康保険から支給される場合あり)
最初の1ヶ月以内にやること
葬儀が終わったら、各種行政手続きや生活に関わる手続きを進めます。年金の受給を停止しないと過払いが発生し、後で返還を求められることがあります。国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内に届出が必要です。健康保険証は死亡後すみやかに返却します。世帯主が亡くなった場合は世帯主変更届(14日以内)も必要です。生命保険の請求は請求期限がある保険もあるため、早めに保険証券を確認しましょう。
- •年金受給停止の届出(国民年金:14日以内、厚生年金:10日以内)
- •健康保険証の返却
- •世帯主変更届(亡くなった方が世帯主の場合、14日以内)
- •生命保険の請求手続きを開始する
- •銀行口座の凍結前に当面の生活費を確保する
- •電気・ガス・水道・NHK・各種サービスの名義変更・解約
3ヶ月以内に決断が必要:相続放棄の検討
相続放棄は「相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内」に家庭裁判所に申立てる必要があります。この期限は非常に重要です。被相続人に借金があった場合や、財産よりも負債が多い場合、あるいは相続に関わりたくない場合は相続放棄を検討してください。期限を過ぎると原則として「単純承認」とみなされ、プラスの財産だけでなく借金もすべて引き継ぐことになります。ただし、財産調査に時間がかかる場合は、3ヶ月の期限内に家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申立てることができます。相続放棄すべきかどうか判断が難しい場合は、司法書士または弁護士に早めに相談することをお勧めします。
4ヶ月以内:準確定申告
亡くなった方(被相続人)が確定申告をする必要があった場合、相続人が代わりに「準確定申告」を行わなければなりません。期限は相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内です。準確定申告が必要なケースとしては、事業収入や不動産収入があった場合、給与収入が2,000万円を超えていた場合、複数の事業所から給与を受け取っていた場合、医療費控除や住宅ローン控除の適用を受けていた場合などが挙げられます。相続人が複数いる場合は全員が連名で申告するか、各自が個別に申告することになります。税務面での判断が複雑になりやすいため、税理士への相談をお勧めします。
1年以内:銀行口座・不動産・証券の名義変更
銀行口座・不動産・証券口座などの財産は、相続手続きを経て名義変更する必要があります。法律上は期限が定められていない手続きもありますが、相続税の申告(10ヶ月以内)に間に合わせるためにも、遺産分割協議の完了後なるべく早く進めることが大切です。銀行は遺産分割協議書・戸籍謄本・印鑑証明書などを揃えて各支店で手続きします。不動産は法務局で相続登記の申請が必要です。証券口座は各証券会社の手続きに従います。複数の金融機関がある場合は、リスト化して一つずつ対応しましょう。
10ヶ月以内:相続税の申告・納税
相続財産の合計が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合のみ、相続税の申告・納税が必要です。申告期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内で、期限を過ぎると延滞税や無申告加算税が発生します。不動産の評価や各種控除の適用には専門的な知識が必要なため、相続税申告が必要な場合は税理士への依頼を強くお勧めします。相続人が複数いる場合は共同で申告することが一般的です。
3年以内:不動産の相続登記(義務)
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。不動産を相続した場合、相続を知った日から3年以内に法務局で相続登記の申請を行わなければなりません。正当な理由なく登記を怠った場合、10万円以下の過料(行政上の罰則)が科される可能性があります。また、登記を放置したまま次の相続が発生すると権利関係が非常に複雑になり、売却や担保設定が困難になります。遺産分割協議がまだ整っていない場合でも「相続人申告登記」という簡易な方法で義務を果たすことができますので、まずは法務局に相談することをお勧めします。
よくある質問
Q. 相続手続きは何から始めればいいですか?
まず死亡届の提出(7日以内)と年金・健康保険の手続き(14日以内)を優先してください。その後、相続放棄を検討するかどうかを3ヶ月以内に判断します。被相続人に借金がある場合は特に早急な確認が必要です。手続きの全体像をリスト化し、期限順に対応するのが最も効率的です。
Q. 相続手続きにはどのくらい時間がかかりますか?
シンプルなケース(相続人が少なく、争いがなく、不動産が1〜2件程度)であれば、3〜6ヶ月程度で主要な手続きが完了することが多いです。不動産が多い・相続人が多い・遺産分割で意見が分かれるといった場合は1年以上かかることもあります。相続税申告は10ヶ月以内が期限です。
Q. 仕事をしながら相続手続きできますか?
多くの手続きは郵送対応が可能で、平日に窓口に行く必要がない場合もあります。銀行の相続手続きや法務局の相続登記は休日対応はないため、有給休暇を使って対応する方も多いです。複雑なケースや時間が取れない場合は、司法書士や行政書士に手続きを代行してもらうことも選択肢の一つです。
Q. 相続手続きを一人でやるのは大変ですか?
相続人が一人・財産がシンプル・借金がないケースであれば、自分でも対応できます。ただし、相続人が複数・不動産や株式がある・相続税申告が必要・遺産分割で意見が分かれているといった場合は、専門家(司法書士・税理士・弁護士)のサポートを受けることで時間と労力を大幅に節約できます。
Q. 相続放棄と相続税申告は両方必要ですか?
相続放棄した方は相続人ではなくなるため、相続税申告は不要です。相続税申告が必要なのは相続を承認した相続人のみです。ただし、相続放棄の結果として次順位の相続人が相続人になる場合があり、その方に相続税申告の義務が生じることがあります。相続放棄を検討している場合は、波及効果も含めて専門家に相談することをお勧めします。
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