相続放棄の3ヶ月が過ぎた!期限後でもできるケースと今すぐすべきこと
公開日: 2026/5/7
本記事の情報源について
法務省・国税庁・裁判所・日本年金機構・金融庁等の公的機関の情報をもとに作成しています。 内容の正確性に努めていますが、法令は改正される場合があります。 具体的な手続きについては最新の公的情報をご確認のうえ、司法書士・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。
目次
3ヶ月の期限が過ぎると原則として相続放棄はできない
相続放棄は「相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内」に家庭裁判所に申立てる必要があります(民法915条)。この3ヶ月の期間(熟慮期間)が過ぎると、原則として「単純承認」したとみなされます(民法921条)。単純承認とはプラス・マイナス問わず相続財産をすべて引き継ぐことを意味し、被相続人に多額の借金があった場合にはその返済義務も負うことになります。ただし、この原則には一定の例外があり、特別な事情がある場合には期限後でも申立てが認められる可能性があります。
例外:期限後でも申立てが認められるケース
最高裁判所の判例(最判昭和59年4月27日など)では、相続人が相続財産が全くないと信じたことに合理的な理由がある場合、その後に負債の存在を知った時点から3ヶ月以内であれば申立てが認められるとしています。以下のようなケースでは、期限後の申立てが認められる可能性があります。ただし、認められるかどうかは個別の事情により家庭裁判所が判断するため、必ず専門家に相談してください。
- •被相続人に財産も負債もほとんどないと合理的に信じていた場合
- •被相続人と長年疎遠で、死亡の事実を最近になって初めて知った場合
- •被相続人の死亡は知っていたが、借金(負債)の存在を後から初めて知った場合
- •相続財産が存在しないと信じていたことに「特別の事情」がある場合
今すぐ確認すべきこと
期限が過ぎていても、まず冷静に状況を整理することが重要です。相続財産を処分・消費してしまうと法定単純承認(民法921条)となり、期限後申立てが認められる可能性がある場合でも放棄できなくなるリスクがあります。現状を把握した上で、速やかに専門家に相談してください。
- •被相続人の遺産・財産をすでに処分・消費・相続したとみなされる行為をしていないか確認する
- •被相続人が亡くなったことをいつ知ったかを正確に把握する
- •借金(負債)の存在をいつ・どのように知ったかを記録する
- •債権者(消費者金融・クレジット会社など)から届いた書類を保管しておく
債権者(消費者金融等)から請求が来た場合
突然、消費者金融や信用保証会社などの債権者から督促状・請求書が届いた場合、まず慌てずに内容を確認してください。返済や和解の合意をしてしまうと、その後の相続放棄申立てに影響する可能性があります。債権者に対して「現在、相続放棄の可否を検討・確認中です」と伝えることは可能ですが、具体的な対応は弁護士または司法書士に相談してから行うことをお勧めします。また、借金の消滅時効(一般に5年)が完成している場合は「時効の援用」という方法もありますが、こちらも専門家に確認の上で行ってください。
今すぐ弁護士・司法書士に相談すべき理由
期限が過ぎた相続放棄の申立ては、専門的な事実関係の整理と家庭裁判所への説明が必要です。申立書の記載内容・添付書類・申立ての可否判断はいずれも専門的な知識が求められます。弁護士・司法書士への依頼費用は相続放棄1件あたり3〜10万円程度が目安ですが(期限後申立ての場合は複雑さにより異なります)、放棄が認められれば借金の返済義務を免れる可能性があるため、費用対効果を考えると早期相談が合理的です。初回相談無料の事務所も多くあります。
熟慮期間の伸長申立(3ヶ月の期限前なら)
まだ3ヶ月の期限が来ていないが、財産調査が間に合わない場合は、期限前に家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申立てることができます(民法915条1項ただし書)。申立ては被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に行い、申立手数料は収入印紙800円です。伸長が認められると、通常1〜3ヶ月程度の追加期間が得られます。期限が近づいているにもかかわらず判断できていない場合は、期限後の対応よりも伸長申立のほうが確実なため、早めに手続きしてください。
よくある質問
Q. 3ヶ月を過ぎてから借金の督促状が届きました。どうすればいいですか?
まず督促状の内容を保管し、債権者に対してすぐに返済・和解の約束をしないでください。「借金の存在を知った日から3ヶ月以内」であれば例外的に相続放棄申立てが認められる可能性があります。至急、弁護士または司法書士に相談してください。初回相談無料の事務所も多いため、内容証明が届いた日から時間を置かずに動くことが重要です。
Q. 長年疎遠だった親が亡くなり、最近知った場合は?
「相続の開始があったことを知った日」の起算点は、被相続人の死亡を知った日です。長年疎遠で死亡を最近になって初めて知った場合、その知った日から3ヶ月以内であれば通常の相続放棄申立てができます。また、死亡からかなり時間が経過している場合でも、知った日が最近であれば例外的に申立てが認められる可能性があります。いずれの場合も、いつ死亡を知ったかを証明できるようにしておくことが重要です。
Q. 相続財産をすでに少し使ってしまいました。放棄できますか?
相続財産の処分・消費は「法定単純承認」(民法921条1号)にあたる可能性があり、その場合は相続放棄ができなくなります。ただし、財産の「保存行為」(腐敗する食品の処分など)や「葬儀費用への充当」は単純承認にあたらないとする見解もあります。使ってしまった財産の種類・金額・状況によって判断が異なるため、専門家に詳しく状況を説明した上で判断を仰いでください。
Q. 期限後の申立は司法書士と弁護士どちらに頼むべき?
どちらでも対応可能ですが、期限後申立は状況によっては後に訴訟に発展する可能性もあるため、弁護士への相談が安心です。一方、司法書士は書類作成・申立て手続きの代行を比較的低コストで行えます(ただし裁判所での代理は弁護士のみ)。まず複数の専門家に無料相談し、対応方針と費用を確認してから依頼先を決めることをお勧めします。
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