兄弟姉妹が亡くなったときの相続手続き|独身・子なしの相続人は誰か

公開日: 2026/5/13

本記事の情報源について

法務省・国税庁・裁判所・日本年金機構・金融庁等の公的機関の情報をもとに作成しています。 内容の正確性に努めていますが、法令は改正される場合があります。 具体的な手続きについては最新の公的情報をご確認のうえ、司法書士・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。

兄弟姉妹が亡くなった:誰が相続人になるのか

兄弟姉妹が亡くなった場合、相続人になるのは民法で定められた『法定相続人』です。配偶者は常に相続人となり、それ以外の順位は次のように決まります。

  • 第一順位:子(孫・ひ孫が代襲)
  • 第二順位:父母(祖父母が代襲)
  • 第三順位:兄弟姉妹(甥・姪が代襲)

ℹ 補足:兄弟姉妹が相続人になるのは、亡くなった方に『子も親もいない場合』のみです。独身・子なしの兄弟姉妹が亡くなったとき、初めて兄弟姉妹が相続人になります。

独身・子なしのケースで誰が相続するか

亡くなった兄弟姉妹が独身で子もいない場合、相続人は次のように決まります。

  • 配偶者と父母がいる場合:配偶者 2/3、父母 1/3(父母が複数なら均等割)
  • 配偶者と兄弟姉妹がいる場合(父母も既に他界):配偶者 3/4、兄弟姉妹 1/4
  • 配偶者がおらず父母もいない場合:兄弟姉妹のみが相続人
  • 兄弟姉妹も先に他界している場合:その子(甥・姪)が代襲相続

⚠ 注意:甥・姪の代襲相続は『一代限り』です。甥・姪も先に他界している場合、その子(兄弟姉妹の孫)は相続人になりません。この点が子の代襲相続(孫・ひ孫まで継続)と異なります。

戸籍の取り寄せ範囲が広くなる

兄弟姉妹相続では、戸籍の取り寄せ範囲が通常の相続より大幅に広くなります。亡くなった方の出生から死亡までの戸籍に加え、両親の出生から死亡までの戸籍も必要になり、すべての兄弟姉妹を確定する必要があるためです。

  • 被相続人(亡くなった兄弟姉妹)の出生から死亡までの戸籍
  • 被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍
  • 兄弟姉妹全員の現在戸籍
  • 代襲相続が発生する場合は、亡くなった兄弟姉妹の戸籍と甥・姪の戸籍

💡 ポイント:戸籍が複数の市区町村にまたがり、取り寄せに2〜3ヶ月かかるケースも珍しくありません。法定相続情報一覧図を法務局で作成しておくと、銀行や法務局でその後の手続きが簡略化できます。

兄弟姉妹相続には『遺留分』がない

兄弟姉妹(および甥・姪)には遺留分(最低限の取り分)がありません。これは法定相続人のうち兄弟姉妹だけが持たない特徴で、遺言書で「全財産を○○に遺贈する」と書かれていた場合、兄弟姉妹は遺留分侵害額を請求できません。配偶者・子・親には遺留分があります。

相続放棄の判断ポイント

疎遠だった兄弟姉妹からの相続は、借金や処分の難しい不動産が含まれている可能性が高く、相続放棄が選択肢になります。判断のポイントは次の通りです。

  • プラスの財産より借金の方が大きい可能性がある
  • 管理が難しい不動産(空き家・遠方の土地・山林)が含まれる
  • 他の相続人との関係が悪く、遺産分割協議が困難
  • 相続放棄の期限(3ヶ月)が知った日から起算される

⚠ 注意:兄弟姉妹が相続放棄すると、その子(甥・姪)への代襲相続は発生しません(代襲相続は被代襲者が死亡した場合のみ)。一方、被相続人の借金は別の相続人や次順位の相続人が背負う可能性があります。

他に相続人がいないケース

独身・子なし・親なし・兄弟姉妹なしの方が亡くなった場合、相続人不存在となり、最終的に財産は国庫に帰属します。ただしその前に、家庭裁判所の手続きを経て『特別縁故者』への分与が認められる場合があります。長期間介護していた人、内縁関係にあった人などが対象です。

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よくある質問

Q. 兄弟姉妹が亡くなったことを知らなかった場合、相続放棄の期限はどうなりますか?

相続放棄の3ヶ月の期限は『相続の開始があったことを知った日』から起算されます。死亡を知らなかった場合、知った日から3ヶ月が起算されます。

Q. 亡くなった兄弟が借金を残していたら、配偶者と兄弟の両方が支払うのですか?

法定相続分に応じて負担します。ただし、相続放棄をすれば最初から相続人でなかったとみなされ、借金も負担しません。3ヶ月以内の家庭裁判所への申立が必要です。

Q. 甥・姪が代襲相続するのはどんなときですか?

兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなっている場合に、その子(甥・姪)が代襲相続します。ただし甥・姪の子(兄弟姉妹の孫)には再代襲しません。

Q. 親が認知症の場合、親の代わりに兄弟姉妹が遺産分割協議できますか?

できません。判断能力に問題がある相続人がいる場合、成年後見人を選任して代理してもらう必要があります。家庭裁判所への申立が必要で、選任に数ヶ月かかります。

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