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銀行口座・預貯金の相続手続き完全ガイド

公開日: 2026/4/30最終更新: 2026/6/13

本記事の情報源について

法務省・国税庁・裁判所・日本年金機構・金融庁等の公的機関の情報をもとに作成しています。 内容の正確性に努めていますが、法令は改正される場合があります。 具体的な手続きについては最新の公的情報をご確認のうえ、司法書士・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。

目次

  1. 1. 銀行口座はいつ凍結される?
  2. 2. 銀行口座の相続手続きの流れ
  3. 3. 銀行口座の相続に必要な書類
  4. 4. 遺言書がある場合の手続き
  5. 5. 複数の銀行口座がある場合
  6. 6. 預貯金の仮払い制度(葬儀費用などの当面の資金)
  7. 7. 手続きにかかる期間と必要書類の早見表
  8. 8. よくある質問

銀行口座はいつ凍結される?

銀行は「名義人が亡くなった」という事実を把握した時点で口座を凍結します。死亡届を提出しただけでは自動的に凍結されるわけではありませんが、遺族から銀行に連絡した時点や、銀行が情報を得た時点で凍結されます。口座が凍結されると、引き出し・振込・引き落とし(公共料金・家賃など)がすべてできなくなります。死亡前に口座から多額の預金を引き出すことは相続人間のトラブルになる可能性があるため、慎重に行ってください。

📎預金口座の相続手続きについて|全国銀行協会

銀行口座の相続手続きの流れ

銀行口座の相続手続きは、各銀行の窓口で行います。銀行ごとに手続き方法や書類が異なるため、まず各銀行に連絡して必要書類を確認することをお勧めします。手続き完了まで通常1〜2ヶ月程度かかります。

  • •STEP1: 銀行の窓口または相続センターに連絡・相談
  • •STEP2: 必要書類を確認し、戸籍謄本等を収集する
  • •STEP3: 遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名・捺印を得る
  • •STEP4: 銀行指定の相続届に必要事項を記入する
  • •STEP5: 必要書類を揃えて窓口に提出する
  • •STEP6: 審査完了後、指定口座に振込または払い戻し
📎預金者が亡くなったときの手続き|全国銀行協会

銀行口座の相続に必要な書類

銀行によって多少異なりますが、一般的に必要な書類は以下の通りです。原本の確認後に返却してもらえることが多いですが、コピーを事前に取っておくと安心です。

  • •被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本
  • •相続人全員の現在の戸籍謄本
  • •遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印)または遺言書
  • •相続人全員の印鑑証明書(発行後3〜6ヶ月以内)
  • •銀行指定の相続届(銀行の窓口またはホームページで取得)
  • •払戻しを受ける相続人の通帳・キャッシュカード
  • •通帳・キャッシュカード(被相続人のもの)

遺言書がある場合の手続き

遺言書がある場合は、遺産分割協議書の代わりに遺言書を使用できます。ただし、公正証書遺言以外の遺言書(自筆証書遺言・秘密証書遺言)は、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要です。法務局の遺言書保管制度を利用した自筆証書遺言の場合は検認不要です。

複数の銀行口座がある場合

複数の銀行に口座がある場合は、それぞれの銀行で個別に手続きが必要です。同じ書類(戸籍謄本など)を複数の銀行で使い回す場合は、原本を返却してもらいながら順番に手続きするか、複数のセットを用意する方法があります。手続きを効率化するには、司法書士や行政書士に一括代行を依頼する方法もあります。なお、戸籍謄本一式の代わりに「法定相続情報一覧図の写し」(法務局が無料で発行)を使うと、複数の金融機関で同時並行に手続きしやすくなります。複数部の交付を受けられるため、口座が多い方には特に便利です。

預貯金の仮払い制度(葬儀費用などの当面の資金)

口座が凍結されると、葬儀費用や当面の生活費の支払いに困ることがあります。2019年7月の民法改正で、遺産分割が終わる前でも一定額までは相続人が単独で引き出せる「預貯金の仮払い制度」が設けられました。家庭裁判所の手続きを経ずに金融機関の窓口で請求できる方法と、家庭裁判所の判断を経る方法の2種類があります。窓口で請求できる金額には上限があるため、目安を理解しておきましょう。

  • •計算式:相続開始時の預金残高 × 3分の1 × 請求する相続人の法定相続分
  • •上限:1つの金融機関につき150万円まで
  • •必要書類:被相続人の戸籍(出生〜死亡)、相続人全員の戸籍、請求者の本人確認書類・印鑑証明書など
  • •用途は自由だが、引き出した分は最終的にその相続人の取得分として精算される
  • •上限を超える資金が必要な場合は、家庭裁判所での仮分割の仮処分という方法もある

ℹ 補足:仮払いで引き出した預金は、後の遺産分割でその相続人が受け取った財産として扱われます。引き出した記録(領収書など)は保管しておくと、後の精算で役立ちます。

手続きにかかる期間と必要書類の早見表

銀行の相続手続きにかかる期間と、状況別に必要となる主な書類の目安をまとめます。遺言書の有無や法定相続情報一覧図の活用で、必要書類は変わります。

状況別の必要書類と期間の目安

状況主な必要書類完了までの目安
遺産分割協議で分ける戸籍一式・協議書・全員の印鑑証明書・相続届1〜2ヶ月程度
遺言書がある遺言書(検認済または公正証書)・戸籍・受遺者の書類2週間〜1ヶ月程度
法定相続情報一覧図を使う一覧図の写し・協議書または遺言書・印鑑証明書戸籍束より短縮されやすい
相続人が1人戸籍一式・本人確認書類・相続届比較的短期間

よくある質問

Q. 口座凍結前に預金を引き出しても問題ありませんか?

死亡前の引き出しについては、被相続人が生前に授権した場合や緊急の支払い(葬儀費用など)のために必要な場合を除き、後々相続人間でトラブルになることがあります。2019年の民法改正により、相続人は1金融機関につき「遺産の3分の1 × 法定相続分」を上限として、他の相続人の同意なく払い戻しを請求できる仮払い制度が設けられています。

Q. ネット銀行(楽天銀行・ PayPay銀行など)の手続き方法は?

ネット銀行も基本的な手続きの流れは同じですが、窓口がないため郵送やオンラインでの手続きになります。各銀行の公式サイトで「相続手続き」のページを確認し、指示に従ってください。必要書類はほぼ同じですが、送付先や書類の形式が異なることがあります。

Q. 手続き中の公共料金などの引き落としはどうなりますか?

口座凍結後は引き落としができなくなります。公共料金・家賃・保険料などの自動引き落としを他の口座に変更するか、コンビニ払いなどに切り替える必要があります。早めに各社に連絡して支払い方法を変更してください。

Q. 亡くなった人の口座があるか分からない場合はどうすればいいですか?

通帳・キャッシュカード・郵便物(取引明細やお知らせ)・メールなどから取引のある金融機関を洗い出すのが基本です。心当たりの金融機関には「残高証明書」の発行を依頼すると、死亡日時点の残高や口座の有無を確認できます。残高証明書は相続税申告や遺産分割の資料としても使えます。ネット銀行は通帳がないため、メールやスマホアプリ、パスワード管理ツールなどを手がかりに探す必要があります。

Q. 貸金庫がある場合はどうすればいいですか?

被相続人が銀行の貸金庫を契約していた場合、その開扉(開けること)にも相続手続きが必要です。原則として相続人全員の同意や立会いが求められ、銀行所定の書類・戸籍・印鑑証明書などを提出します。中に遺言書や重要書類が入っている可能性があるため、相続手続きの早い段階で銀行に確認することをお勧めします。トラブル防止のため、開扉時に公証人の立会いを求められる場合もあります。

Q. 手続きにかかる費用はいくらですか?

銀行の相続手続き自体の手数料は無料の金融機関が多いです。主にかかるのは戸籍謄本・印鑑証明書などの取得実費(合計で数千円〜1万円程度)です。司法書士や行政書士に複数の金融機関の手続きを一括代行してもらう場合は、報酬として数万円〜が目安になります。口座数が多い、相続人が多い、戸籍収集が大変といった場合は、代行依頼の費用対効果を検討するとよいでしょう。

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