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相続税の税額控除まとめ|障害者控除・未成年者控除・相次相続控除

公開日: 2026/6/12

本記事の情報源について

法務省・国税庁・裁判所・日本年金機構・金融庁等の公的機関の情報をもとに作成しています。 内容の正確性に努めていますが、法令は改正される場合があります。 具体的な手続きについては最新の公的情報をご確認のうえ、司法書士・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。

目次

  1. 1. 相続税の税額控除とは
  2. 2. 各種税額控除の一覧
  3. 3. 未成年者控除
  4. 4. 障害者控除
  5. 5. 相次相続控除
  6. 6. 贈与税額控除・外国税額控除
  7. 7. 配偶者の税額軽減について
  8. 8. 税額控除を受けるための申告の注意点
  9. 9. よくある質問

相続税の税額控除とは

相続税には「基礎控除」と「税額控除」の2種類があります。基礎控除は課税対象となる遺産額そのものを減らす仕組みですが、税額控除は計算後の相続税額から直接差し引く仕組みです。税額控除の種類と金額を正しく把握しておくことで、実際に納める税額を適切に把握できます。代表的な税額控除として、未成年者控除・障害者控除・相次相続控除・配偶者の税額軽減・贈与税額控除・外国税額控除があります。いずれも、相続税の申告書に記載することで初めて適用されるものですので、申告を前提として確認しておくことが大切です。

各種税額控除の一覧

主な税額控除の種類・対象者・控除額の概要を下表にまとめました。詳細は以降の各セクションで解説します。

相続税の主な税額控除一覧

控除の種類対象者控除額のめやす根拠条文
配偶者の税額軽減配偶者1億6,000万円または法定相続分相当額まで非課税相法19条の2
未成年者控除18歳未満の相続人(法定相続人に限る)(18歳-相続時年齢)×10万円相法19条の3
障害者控除障害者の相続人(法定相続人に限る)(85歳-相続時年齢)×10万円(特別障害者は20万円)相法19条の4
相次相続控除10年以内に相続が連続した場合の相続人前回納付相続税の一部(1年ごとに10%逓減)相法20条
贈与税額控除相続開始前3年以内(または7年以内)の贈与を受けた相続人すでに納付した贈与税額相当相法19条
外国税額控除海外財産を取得し外国で相続税を納付した相続人外国で課された税額相当(限度額あり)相法20条の2

未成年者控除

未成年者控除は、相続人が18歳未満の場合に適用される控除です(相続税法19条の3)。2022年4月の民法改正により成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことにあわせ、同年4月1日以後の相続からは18歳が基準となっています。控除額は「(18歳 − 相続開始時の年齢)× 10万円」で計算します。たとえば、相続開始時に10歳のお子さんであれば(18 − 10)× 10万円 = 80万円が、そのお子さんの相続税額から控除されます。控除しきれない部分(その相続人の税額よりも控除額が大きい場合)は、その子の扶養義務者(親など他の相続人)の相続税額から控除することができます。

  • •基準年齢:18歳(2022年4月1日以後の相続から適用)
  • •計算式:(18歳 − 相続開始時の年齢)× 10万円
  • •年齢は誕生日前でも「満年齢」で計算(1歳未満は0歳として計算)
  • •控除しきれない分は扶養義務者の相続税から控除できる
  • •法定相続人に限り適用(受遺者のみは対象外)

障害者控除

障害者控除は、相続人が障害者である場合に適用される控除です(相続税法19条の4)。「一般障害者」と「特別障害者」で控除額が異なります。一般障害者の場合、控除額は「(85歳 − 相続開始時の年齢)× 10万円」です。特別障害者(重度の知的障害、身体障害1・2級など)の場合は「(85歳 − 相続開始時の年齢)× 20万円」となります。たとえば、相続開始時に60歳の一般障害者であれば(85 − 60)× 10万円 = 250万円が控除されます。同じく60歳の特別障害者であれば500万円の控除となります。未成年者控除と同様に、控除しきれない額は扶養義務者の相続税から控除できます。

  • •一般障害者:(85歳 − 相続開始時の年齢)× 10万円
  • •特別障害者:(85歳 − 相続開始時の年齢)× 20万円
  • •控除しきれない分は扶養義務者(他の相続人)から控除できる
  • •法定相続人に限り適用
  • •障害者手帳の交付を受けていない方でも、一定の要件を満たせば対象となる場合がある(申告時に確認を)

ℹ 補足:「特別障害者」とは、身体障害者手帳の障害等級が1・2級、療育手帳のAランク、精神障害者保健福祉手帳の1級などに該当する方です。申告時に必要書類を添付する必要があります。

相次相続控除

相次相続控除は、10年以内に相続が2回発生した場合(「一次相続」の後、比較的短期間で「二次相続」が起きた場合)に適用できる控除です(相続税法20条)。一次相続で相続税を納付してから10年以内に二次相続が起きると、同じ財産に再び相続税がかかる二重課税を緩和するための制度です。控除額は、一次相続で納付した相続税額のうち一定割合を二次相続の相続税額から差し引くことができます。具体的には、一次相続からの経過年数が1年増えるごとに控除できる割合が10%ずつ減少します。経過年数が1年未満(1年経っていない)の場合は100%、2年未満は90%、…10年未満は10%、10年以上の場合は控除なしとなります。計算式は複雑なため、実際の申告では税理士に確認することをお勧めします。

  • •一次相続から10年以内に二次相続が発生した場合に適用
  • •経過1年未満:100%、以降1年ごとに10%逓減
  • •10年以上経過した場合:控除なし
  • •二次相続の相続人が、一次相続でも財産を取得していることが要件
  • •一次相続での相続税納付が前提(納付税額がゼロの場合は対象外)

贈与税額控除・外国税額控除

贈与税額控除は、相続開始前一定期間内に被相続人から贈与を受け、贈与税を納付していた場合に適用される控除です(相続税法19条)。贈与財産は相続税の課税対象に加算されますが、すでに納付した贈与税額を相続税額から差し引くことで、二重課税を防ぐ仕組みです。2024年1月以後の贈与からは持ち戻し期間が3年から最長7年へ順次延長されています。外国税額控除は、海外に財産があり、その所在地国でも相続税(または相続税に相当する税)を課された場合に適用されます(相続税法20条の2)。外国で納付した税額を、日本の相続税額から一定の限度額の範囲内で控除できます。

⚠ 注意:贈与税額控除の対象となる持ち戻し期間は、贈与のタイミングによって3年または7年と異なります。2024年1月以後の贈与については段階的に延長されますので、贈与の時期を確認したうえで申告書を作成してください。

配偶者の税額軽減について

配偶者の税額軽減は、被相続人の配偶者が相続する場合に適用できる大きな控除です。「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い金額まで、配偶者の相続分には相続税がかからないという制度です(相続税法19条の2)。ただし、この軽減を受けるためには相続税の申告書を提出することが必要です(税額がゼロになる場合でも申告が必要)。また、遺産分割が未了の場合は原則として適用できないため、申告期限内に分割を終えることが重要です。配偶者の税額軽減の詳しい計算方法や注意点については、関連記事「配偶者の税額軽減」をご参照ください。

💡 ポイント:配偶者の税額軽減は非常に大きな制度ですが、二次相続(配偶者が亡くなったときの相続)への影響も考慮したうえで活用することが重要です。税理士への相談をお勧めします。

税額控除を受けるための申告の注意点

税額控除の多くは、相続税の申告書を提出することで初めて適用されます。「相続税がゼロになるから申告しなくてよい」と考えてしまうと、実は控除を適用するための申告が必要だったというケースがあります。特に配偶者の税額軽減は、税額がゼロになる場合でも申告が要件とされています。申告期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」です。各控除の計算には年齢・障害等級の証明書類・前回の相続税申告書の写しなど、添付書類が必要になる場合があります。申告にあたっては税理士に相談することを強くお勧めします。

⚠ 注意:本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談・法律相談に代わるものではありません。実際の控除額の計算や申告手続きについては、税理士など専門家にご相談ください。

よくある質問

Q. 未成年者控除は何歳まで適用されますか?

2022年4月1日以後に発生した相続については18歳未満が対象です。それ以前の相続では20歳未満が基準でした。相続開始日時点で18歳の誕生日を迎えていない場合に適用されます。

Q. 障害者控除の「特別障害者」とはどのような状態ですか?

身体障害者手帳1・2級、療育手帳のAランク(重度)、精神障害者保健福祉手帳1級などに該当する方が特別障害者とされます。該当するか不明な場合は、申告を担当する税理士や所轄の税務署に確認してください。

Q. 相次相続控除は何年以内に相続が起きた場合に使えますか?

一次相続の開始から10年以内に二次相続が発生した場合に適用できます。10年以上経過している場合は控除できません。また、一次相続で実際に相続税を納付していることが要件です。

Q. 障害者控除で控除しきれない額はどうなりますか?

その障害者の相続税額を超える控除額は、その方の扶養義務者(配偶者・直系血族・兄弟姉妹など)の相続税額から差し引くことができます。ただし、扶養義務者も相続人であることが必要です。

Q. 税額控除を受けるには必ず申告が必要ですか?

はい、税額控除の大部分は相続税の申告書を提出することで初めて適用されます。特に配偶者の税額軽減は、税額がゼロになる場合でも申告が必要です。申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)に遅れないよう注意してください。

Q. 相続税の申告は自分でできますか?税理士に頼む必要がありますか?

申告自体は自分で行うことも可能ですが、各控除の計算には年齢・障害等級の証明書類の確認や複雑な計算が伴います。特に相次相続控除や外国税額控除は計算が複雑なため、税理士への依頼を検討することをお勧めします。

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本記事は情報提供を目的としており、法律相談・税務相談ではありません。具体的な判断は司法書士・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。

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