遺言書の確認・検認手続き完全ガイド
公開日: 2026/4/30最終更新: 2026/6/13
本記事の情報源について
法務省・国税庁・裁判所・日本年金機構・金融庁等の公的機関の情報をもとに作成しています。 内容の正確性に努めていますが、法令は改正される場合があります。 具体的な手続きについては最新の公的情報をご確認のうえ、司法書士・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。
遺言書が見つかったら最初にすること
故人の遺品整理中に遺言書を発見した場合、公正証書遺言以外はすぐに開封してはいけません。自筆証書遺言・秘密証書遺言は、家庭裁判所で「検認」という手続きを経ないと、後々の手続きで使用できなくなる場合があります。発見した遺言書の種類を確認し、適切に対応することが重要です。
遺言書の種類と特徴
遺言書には主に3種類あります。それぞれ作成方法・効力・検認の要否が異なります。
- •自筆証書遺言:全文を自筆で書いた遺言書。費用がかからず手軽だが、要件を満たさないと無効になることも。検認が必要(法務局保管の場合は不要)
- •公正証書遺言:公証人が作成する遺言書。証人2人が必要。最も確実で検認不要。原本は公証役場が保管
- •秘密証書遺言:内容を秘密にしたまま公証人に存在を証明してもらう遺言書。検認が必要。実務上はほとんど使われない
検認手続きとは
検認とは、遺言書の存在と状態を家庭裁判所が確認・証明する手続きです。遺言書の内容を有効と認めるわけではなく、現状を保全するための手続きです。検認を受けないまま遺言書を使って相続手続きをすることは原則としてできません(公正証書遺言・法務局保管の自筆証書遺言は除く)。
検認手続きの流れ
検認は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てます。申立後、裁判所から相続人全員に検認期日の通知が届きます。相続人全員が出席する必要はありませんが、欠席した相続人にも後日検認済み証明書が送られます。
- •STEP1: 遺言書を開封せずに保管する(開封してしまった場合も手続きは可能)
- •STEP2: 家庭裁判所に検認の申立てをする
- •STEP3: 裁判所から相続人全員に検認期日の通知が届く
- •STEP4: 検認期日に裁判所で遺言書を開封・確認する
- •STEP5: 検認済みの遺言書に「検認済証明書」が添付される
- •STEP6: 検認済み遺言書を使って各種相続手続きを進める
検認に必要な書類と費用
検認申立に必要な書類は次の通りです。申立手数料は収入印紙800円です。
- •遺言書(原本)
- •申立書(裁判所の書式)
- •申立人の戸籍謄本
- •被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本
- •相続人全員の戸籍謄本
- •収入印紙800円・郵便切手(裁判所に確認)
法務局の遺言書保管制度
2020年7月から、法務局(遺言書保管所)で自筆証書遺言を保管してもらえる制度が始まりました。この制度を利用した遺言書は検認が不要です。また、遺言者の死亡後に相続人が「遺言書情報証明書」を取得することで、遺言書の内容を確認できます。遺言書を作成する際はこの制度の活用を検討することをお勧めします。
よくある質問
Q. 遺言書を開封してしまいました。どうすればいいですか?
開封してしまっても、検認手続きを行うことはできます。ただし、封印のある遺言書を家庭裁判所外で開封した場合は5万円以下の過料の対象になることがあります。開封してしまった場合でも遺言書が無効になるわけではありませんので、すぐに家庭裁判所に検認の申立てをしてください。
Q. 遺言書の内容に納得できない場合はどうすればいいですか?
遺言書の内容が法定相続分を下回る場合でも、相続人には「遺留分」という最低限の取り分が保証されています(直系尊属のみが相続人の場合は法定相続分の3分の1、それ以外は2分の1)。遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求権を行使することができます。ただし遺留分の請求には期限(相続の開始と遺留分の侵害を知った日から1年)があるため、弁護士に相談することをお勧めします。
Q. 遺言書が複数見つかった場合はどれが有効ですか?
原則として、最も新しい日付の遺言書が有効です。ただし、内容が矛盾する部分については後の遺言書が優先され、矛盾しない部分については両方が有効とされることもあります。複数の遺言書が見つかった場合は弁護士に相談することをお勧めします。
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